履歴書の書き方について、紹介していきます。

■履歴書の役割

①  面接の機会を得ることが目的

履歴書を書く目的はあくまで面接の機会を得ることです。どれだけたくさんの履歴書を書いても書類選考を通らなければ何の意味もありません。採用者に合いたいと思わせる書類を作るという気持ちで履歴書の作成にあたりましょう。一旦は、面接に呼ばれることがゴールです。

②  自己紹介ツール

履歴書には自己紹介ツールという補助的な役割もあります。書類選考が通り、面接に呼ばれたとして、面接の質問は履歴書に書かれた内容に沿って行われます。住所、学歴、職歴、資格、趣味・特技、志望動機、自己PR等を見れば、その人の人となりが大体はわかります。また、履歴書の内容に誤字脱字がないか、丁寧に文字がそろっているかなどからも、性格が読み取られます。面接で聞いてほしいこと、入社後にみんなに知ってほしい趣味など、自分をアピールできることをネタにするという気持ちで書いていくと、自分の有利な心理状況で面接を進められることにつながるので良いと思います。

 
■  履歴書を作成するにあたって

①  手書きが一般的、黒かブルーブラックのボールペンか万年筆

履歴書は黒のボールペンか万年筆を用いて手書きをするのが一般的です。フリクションペン(消えるペン)はNGです。手で書く側のメリットとしては、手書きの方が気持ちが込めやすいというのがあります。物と一緒で、人の手で丁寧につくられた物とロボットにより作られたものを比べると、人の手で丁寧につくられた物の方が温かみを感じます。また、単純に時間がかかるためでもありますが、高価です。当然、履歴書を見る人事も人間ですので、人の手で丁寧につくられた履歴書の方が好感をもたれやすいです。
ただ、パソコンでつくってはダメかというと、そんなことはありません。パソコンの方が圧倒的に短い時間で多くの量を作成できます。字には得手、不得手が出やすいので、自分の字に自信がないという人にとっては、コンプレックスを隠せることにもなるのでパソコンで作成することは悪いことではありません。また、あらかじめ作成しておいた履歴書の一部を変えて使いまわせることも、忙しい就職活動中の方にとってはメリットの大きい点です。
結論としては、志望度の高いところに応募する際には、履歴書を手書きで丁寧に気持ちを込めて書きましょう。それほど志望度の高くないところに応募する際には、パソコンで作成したフォーマットを使って、志望動機、自己PR欄のみを変えるというスタンスで作成しましょう。
中には履歴書は手書きで書くものだという人もいるかもしれませんが、みんなにいい印象を持ってもらう必要はありません。要領よく履歴書を作成して、余計なエネルギーはできるだけセーブした方が得策だと思います。


②  文字の間隔やバランスなど体裁を整えて見やすいものにする

履歴書は一つの作品ですから、美的観点を取り入れて書くと、より良いものになります。汚いものよりはきれいなものを作った方が当然評価が高くなります。ただ、美的観点といっても、達筆で書く必要はありません。見る人が見てストレスを感じることがないよう、見やすさを意識してみるだけで大丈夫です。文字と文字の間隔が一定になるよう、文字の大きさも枠の大きさに合ったサイズで一定になるよう、枠の左に寄りすぎたり右に寄りすぎたりしないように、バランスよく文字を配置していく。この作業を心掛けましょう。
手書きで作成する場合は、市販の履歴書にバランスよくかける下敷きが同封されているものもありますので、それを使ってしまいましょう。それだけで、かなりバランスの整った仕上がりになります。
最も気を付けなければ、補助線がない志望動機欄です。四角形しかありませんから、文字数とその配置を見るだけで、書いた人がこの履歴書にどれだけの気持ちを込めて書いたかがばれてしまいます。本当に志望度の高い人は、志望動機欄がとてもきれいに書かれています。なぜかというと、まず最初に文章を考え文字数を計り、それに合わせて鉛筆で補助線を書いています。そして、鉛筆で文字を下書きした上で、ボールペンで書くという手順を踏んでいるからです。手間と時間がかかる分、その人の志望度が透けて見えるのです。ここで他の応募者と差をつけるためにも、そのひと手間を惜しまず下書きをするようにしましょう。
もちろん、パソコンで履歴書を作成すれば、あまり文字の配置を考えなくても、自然にきれいにまとまってくれます。見やすさ重視で考えれば、それで十分だと思います。ただ、パソコンで作成する場合には枠によっては文字が小さくなりすぎて、作品自体が貧弱に見えることもありますので、その点を注意するのが良いと思います。また、フォントも途中で変えたりせずに、1枚の履歴書には1フォントで統一するのが良いと思います。


③  誤字・脱字がないように注意をする。間違えたら書き直す

誤字・脱字はないように注意しましょう。1文字くらいならバレない、たとえバレても1文字くらい大目に見てくると思いたいところですが、案外人事担当者は気づいてしまいます。履歴書は、常識を見るテストと見ることもできます。漢字の間違いが見つかれば常識を疑われて、マイナス評価を受けます。プラス評価になることはまずありません。脱字が見つかれば、注意力を疑われます。おっちょこちょいでかわいいとは思ってもらえません。この人は仕事でもセルフチェックをしない人だと思われてしまうリスクの方が高いです。仮にしていたとしても、間違いに気づけない人だと思われてしまうリスクの方が高いです。仕事の場面では、どんなに人柄の良い人でも生産物のアウトプットで評価を受けるため、資料に間違いがあればその資料の信ぴょう性が疑われますし、製品に傷をつけてしまうと不良品となり損失となります。
履歴書は応募で通った後で、面接の場面で社長や役員にも配布されると想定してみましょう。社長や役員には、普段から誤字脱字のある資料を平気で渡す担当者はまずいません。同じ感覚で考えると、履歴書でも誤字脱字のある人とない人でどちらを通すか迷った場合、リスクの少ない誤字脱字のない人を選ぶでしょう。その方が無難だからです。
では、履歴書を書いている途中で間違えたらどうしたらよいのかというと、新しい履歴書を袋から出し最初から書き直します。修正液で消すことはNGです。なぜなら、履歴書は正式な文書です。ビジネスの世界では正式な文書に修正液を使うことはNGで、二重線の上に印鑑を押します。銀行の口座用紙と一緒です。それなら、履歴書も二重線の上に印鑑でいいのでは?と思いたいところですが、訂正印のある履歴書を何食わぬ顔で送る神経を疑われてしまいます。単なる書類として捉えたら、別に訂正印でも問題ないとは思いますが、一つの作品として捉えたら、ミス(傷)のないものの方が価値が高いです。
時間を書けて丁寧に書いて最後の最後で間違えると本当に泣きそうになります。枚数が進むにつれて、雑になってきたりします。極力、事前に鉛筆で下書きをして、ボールペンでなぞる方法を推奨しますが、どうしても下書きをする時間がない場合は、テレビとかは消して集中して書くようにした方が良いと思います。


④  年号は統一する

履歴書には、生年月日欄や学歴欄、資格欄など年号を書く箇所が多くあります。西暦を書くか、和暦を書くか、迷うところですが、基本はすでに書いてあるフォーマットに合わせるという処理の仕方で問題ありません。実際に、大学職員の履歴書は大学指定のホームページからフォーマットをダウンロードして作成をしますが、見事なほどに大学によって和暦派と西暦派にわかれています。より常識を問われる大学でさえ、意見がわかれるほどなので、どちらが正解ということはありません。邪馬台国が九州にあったか近畿にあったかというような途方もない議論になります。
ただ、注意することもあります。1枚の履歴書には1つの年号で統一させるということです。西暦なら最初から最後まで西暦を使う。和暦なら最初から最後まで和暦を使う。色々なタイプの履歴書を書いていると、無意識のうちに混同して使っていることに気づくこともあります。そうすると、一貫性を欠いてしまい、この人は場面場面でコロコロ意見を変える人なのだと思われてしまうかもしれないという点で選考にリスクを抱えます。柔軟性があるという捉え方もできますが、ビジネスの世界であまりコロコロ自分の意見を変えていると信頼してもらえません。ですので、少々面倒ではありますが、もし年号を混同させて書いてしまったら履歴書を最初から書き直した方が無難です。
 


■  履歴書の項目ごとの書き方のポイント

ここでは履歴書の項目ごとに、ポイントを書いていきます。

【年月日】
 ・ポスト投函日か持参日を書く。古い日付はNG。
 
【写 真】
 ・カラーの4×3が一般的。白黒でも可。インスタントは使わず、最も移りの良いものを選ぶ。
 ・はがれないようにしっかり貼る。万が一、はがれてもいいように裏面には名前を書く。
 
【氏名】
 ・平仮名かカタカナかは履歴書のフォーマットに合わせる。
 
【生年月日・性別】
 ・年齢は満年齢を記載する。満年齢は普通の誕生日を迎えたら1歳を足す数え方。
 
【現住所/連絡先】
 ・現住所は番地まで略さず書く(「-」とせず、「丁目」」「番」「号」まできっちり書く)。
 ・メールアドレス、電話番号は数字や記号を読み取れるように書く(「1」と「7」、「-」と「_」)。
 
【学歴・職歴】
 ・学歴は中学卒業から記入。新卒の場合、職歴はなし(アルバイトは職歴に書かない)。「以上」を右下に書く。
 ・自分の入学年と卒業年の「西暦」と「和暦」メモしておくと便利。案外混乱しやすく、履歴書を書くたびに確認していては時間がかかる。

【免許・資格】
 ・勉強中の資格も書いてもいい。応募職種に関係のあるものであれば積極的に書く。

【志望動機】
 ・自分の意欲や興味の方向性 と 企業の特色 を結びつけるかたちで書く。
 ・自分のことを書かず、企業を持ち上げる内容ばかりを書くと、嘘っぽく聞こえるため注意。
 ・応募先企業の情報はホームページなどで調べる。企業理念や事業内容、製品などに注目。
 ・その応募先企業にしかないものを探して書くのがベター(どの企業にもあてはまるものは弱い)。
 ・給料や福利厚生を動機にするのは避ける。これを書いてしまうと、どんなにきれいごとを並べても不純な動機に見られてしまう。
 
【自己PR】
 ・仕事で活かせる能力(スキル、資格)・強みを書く。
 ・性格、行動特性(コンピテンシー)で当てはめていくと良い。
 ・キャッチ(結論)、説明(経験)、どう活かすか。
 ・経験はアルバイトや学校生活、勉強などの実体験を場面で思い出してまとめる。
 
【趣味、特技、スポーツ】
 ・人柄や長所のアピールができる項目にし、具体的に書くようにする。
 
【通勤時間】
 ・ドアtoドアの時間。電車やバスの乗車時間でなく、待ち時間や徒歩の時間も含める。
 
【扶養家族・配偶者・配偶者の扶養義務】
 ・有、無を書く。
 
【本人希望欄】
 ・希望職種等があれば書く。
 ・特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書く。
 ・給料などの希望を書きすぎると印象がよくない。希望を言うのは自由だが、あまり希望を書きすぎると面倒くさく思われて敬遠されてしまう。
 
 
■  ワンポイントアドバイス

①  人に見てもらうことがおススメ

自分ひとりで書くと、きちんと書けているつもりでも、他人には伝わらないことは普段生活している中でも多々あります。それは、言葉のチョイスや文章の構成が原因だったりするのですが、書く側と読む側に面識がないとなおさらです。また、自分では正しい漢字を使っているつもりでも、間違っている場合もあります。
第三者の目を入れることで、文章が客観的になります。主観的な表現よりも、客観的な表現が多い方が伝わりやすいです。そして、誤字脱字のチェックも同時にできることになるので、やらないよりは絶対にやった方がよいです。できれば、その道のプロのキャリアコンサルタントの人に見てもらった方が、この書類を通すためにはどこをどのように直すかという視点で見てくれるため望ましいです。ですが、もし周りにいないということでしたら、友達や家族に見てもらうというのでも良いかと思います。

②  送付する前にコピーをとっておく

履歴書を送付する前にコピーをとっておきたいものです。写メでも良いと思います。何のためにコピーを取るかというと、面接対策のためです。面接は、履歴書に書かれていることに沿って質問をされることが通常ですが、色々な履歴書に色々なことを書いていると、ついその企業に出した履歴書に書いていた内容を忘れたりすることがあるからです。もし、履歴書で書いていた内容と面接で話す内容に矛盾が生じていたら、その時点でアウトになってしまいます。回答の一貫性はとても大事なので、備忘としてコピーをとっておいた方が良いと思います。


以上になります。履歴書の一番の目的は面接に呼ばれることです。そのための、作品作りです。噛みしめて丁寧に仕上げたいものです。