ハローワークの ”職業訓練” というサービスをご存知でしょうか?

正確には「離職者等再就職訓練」といいます。

”求職者”の再就職を促すために、国(都道府県)が主体で設けている訓練です。


訓練と聞くと、少し近づきがたいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。

わたしも知人から紹介され、3か月間の東京都の民間委託訓練を受講しました。最初は半信半疑でしたが、実際に受講して実感したのは、中身はただの学校です。
テキストも分厚いしっかりしたものでした。

しかも、授業料は0円です。
それ以外にも、手当がでるなど、求職者にとってメリットが大きいとってもお得な講座です。

今回は、東京都で開催されている民間委託訓練について、紹介をしていきたいと思います。

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1.職業訓練って何?


職業訓練は都道府県が提供する求職者が受講できる講座です。
東京都が民間の教育訓練機関(専門学校)に委託して実施されています。
授業はおおむね平日の午前9時から午後5時までですが、時間は科目により異なります。
授業システム的には公立の小中学校に通うような、大学に通うような、学校のイメージです。
わたしが受けた授業は1時限50分が6コマありました。
30人クラスで席は完全固定制で、席替えはありませんでした。
 
訓練期間は3か月が標準で設定されていますが、6か月のものもあるようです。

また、職業訓練自体は職業能力を身につけるのが目的ですが、求職を支援する目的もあるので、期間中に「キャリアコンサルティング」を受けることになっています。キャリアコンサルティングといっても、難しい内容でも就職を急かされるわけでもなく、就職活動をしているのか?学習は進んでいるか?というような状況確認のようなのものです。

訓練期間中は、自分が”求職者”なのか”学生”なのか区別がつかない、不思議な感覚になりました。

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2.職業訓練の講座



情報、福祉・医療、営業サービス、事務等の様々な分野の講座があります。
管轄の地域にもよりますが、たとえば、東京都のでは以下のような講座があります。
これらは実際の2018年5月入校の講座となりますが、資格学校から専門学校まで様々な学校で開校されています。
時期によって、講座が増えることも減ることもあります。
それは委託を望む学校が名乗り出るかたちで、講座が提供されているからのようです。

また、4月、10月開講の講座には6カ月間に及ぶプログラムのものもあり、比較的充実しています。

ただ、あくまで求職者の再就職を目的とした講座ですので、士業のような高度な資格(弁護士、税理士、社労士等)取得を目指す講座はないようです。わたしもハローワークの窓口で社労士の講座を探して、問い合わせたことがありますが、そのような事情と聞きました。

☆情報分野☆
・Javaプログラマ養成科 
・Webサーバとネットワーク構築科
・ネットワーク・サーバ構築科
・オフィスソフトITマスター科
・Webクリエイター養成科
・Webクリエータ科
・オフィススペシャリスト養成科
・ITオフィスエキスパート科
・ビジネスアプリケーション活用科


☆福祉・医療分野☆
・介護初任者・レク介護士・介護事務科
・介護職員初任者養成科
・医療事務・調剤事務・介護事務科
・医療事務・パソコン基礎科


☆営業サービス・事務分野☆
・財務管理・キャッシュフロー会計科
・簿記会計科
・総務・経理事務科
・企業総務科
・一般・OA事務科
・観光総合ビジネス科
・国際ビジネス科
・不動産・FP科
・宅建業・不動産業就職科

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3.職業訓練のメリット



職業訓練を受けることによるメリットを9つあげてみます。
一言で言ってしまうと、本格的な講座をタダどころか手当をもらいながら受けられるとができることだと思います。


①授業料が無料

授業料の負担は一切ありません。授業の運営は雇用保険料でまかなわれています。テキスト代はその講座によります。わたしが受けた講座は資格学校の簿記でしたので、通常の授業で使われているテキストや模試が無料で配布されました。ちなみに、感覚的には、通常のクラスで通学した場合10万円~15万円以上はすると思いました。そのくらい、非常にしっかりした内容でした。


②失業手当が早くもらえる

通常、失業手当(雇用保険)は会社を退職してすぐもらえるわけではありません。退職してから会社から離職票が届きます。その離職票を持ってハローワークに行き、手続きをします。そこから、7日間のと3か月間待ちます。ようやく、ハローワークに行き、失業認定を受け、受給の決定となっても、支給日は翌15日前後です。煩わしいすべての手続きを終えて、実際に最初の失業給付が口座に振り込まれるまでに4~5カ月かかるということもあるかもしれません。

それが、職業訓練に入校すると、給付制限というものがなくなります。3か月も7日間も関係なく、学校に通い始めた日から失業給付対象としてカウントはじまります。5月1日が入校式なら、最初の失業手当が口座に振り込まれるのは、6月15日前後ということになります

実際に経験のある方はお分かりと思いますが、離職中のこの3か月間というのは感覚的にとても長いです。一般的には離職期間が長くなればなるほど、経歴に対する見方が厳しくなるといわれています。”無職”と周りからの目に耐えられなくて、早く決めたい気持ちが強くなってくる方も多いと思います(わたしもそうでした)。そういう意味で、給付制限中の3か月間は就職活動をするにも無収入となり、手当を待ちきれない期間となります。あせってブラックの会社に決めてしまったら元も子もありません。

手続きさえ先にしっかりしておけば、退職日の翌月から受給手当を発生させることができます。

ただ、給付制限があるのは、あくまでも前職を自己都合での退職の場合です。会社の倒産や契約終了などの会社都合での退職の場合は、3か月の給付制限がありませんので、その点のメリットというのはそれほど大きくありませんのでご注意ください。


③失業手当が延長できる

職業訓練に通うと、本来受け取れる日数を延長することができます。これはとても大きなメリットです。たとえば、自己都合で退職した場合、給付日数は90日分です。通常、90日分の認定がおわると、以降の手当は打ち切られます。

しかし、3か月の職業訓練に通っていたとします。修了日時点で1日でも給付日数が残っていれば、そこからさらに1カ月分延長してもらえるのです。この延長については、わたしも知りませんでした。実際の流れは、修了日に職業訓練先の職員の方から午後は管轄のハローワークに行ってくださいとアナウンスがあります。ハローワークの給付課で修了月分の失業認定をしてもらう際に、現時点での内定有無を聞かれます。正直に無いと答えると、1カ月延長して給付日数が付与されますと説明があります。この延長の制度は、職業訓練が終わった次の日から収入がなければ、「安心して就職活動なんてできないでしょ。再就職を目指して頑張って職業訓練に通ったのに、終わったとたん突き放すなんて冷たい制度だなあ」と思われることへの国の配慮とのことでした。

その逆もあります。90日分の失業手当を受給していて、90日分目が5月1日で職業訓練入校日だとします。通常であれば、5月1日をもって手当は終了となり、5月2日以降は打ち切られます。しかし、職業訓練に通う分まで支給が延長されます。3カ月の訓練なら7月31日の修了日まで。6カ月の訓練なら10月31日の修了日までです。

失業手当の金額は前職の給料額によって決められますが、ざっくり5,000円~7,000円の手当日額だとして、180日分の延長で計算をしてみてください。かなり手厚い手当額になることがおわかりいただけると思います。

では、もし失業手当の日数が1日も残っていなければ、手当はもらえないのかというと、そんなことはありません。給付金というかたちになり月10万円のみとなりますが、受給しながら職業訓練校に通うことは可能です。


受講手当・通所手当がもらえる

職業訓練に通うと、1日につき500円の受講手当がつきます。最大40日分で20,000円で打ち切りとなりますが、職業訓練に通わない場合はもらえない手当です。テキスト代や昼食代のための用途を目的とした手当と思われますが、何に使わなければいけないということはありません。失業手当と一緒に振込されます。

また、学校までの交通費も支給されます。こちらも職業訓練に通わない場合はもらえない手当です。ただ、最も経済的で合理的な経路での申請となります。特急券やタクシーを使用したり、少し回り道した経路を申請することは基本的にNGになっています。入所式のときにチェックを受けて訂正をしている人もいました。バスを使用したり特別な事情がある場合は、ハローワークや職業訓練先に確認をしたほうがよいかもしれません。


⑤授業内容が実務ベースとなり充実している


授業内容が実務に直結するようにつくられています。もちろん、学校や担当の先生により差はあるかもしれませんが、各々の講座の概要を見る限りではどれも具体的です。わたしが受けたのは、経理や財務への再就職を目指すための講座でしたので、簿記3級、2級から税務に関する授業まで、実務にすぐ使えそうな内容でとても充実した内容でした。また、テキストも最新のもので、模試の配布までありました。


⑥キャリアコンサルティングを受けられる


授業の中には専門のキャリアコンサルタントが先生となり、履歴書や面接の対策講義をするというものもあります。大抵の場合、教壇に立てるキャリアコンサルタントは人事や採用分野での経験が豊富な人です。再就職するためのノウハウを手とり足とり情報提供してくれます。

また、3か月の訓練期間の中に3回ほどキャリアコンサルティングを個別に受ける時間が設けられています。イメージとしては、中学校や高校のときにあった2者面談を想像していただければ近いかと思います。先生と1対1で、就職活動の進捗状況、授業に対する相談、資格試験の勉強方法などについて話をします。雑談などをして時間をつぶす方もいるようです。

ある種、キャリアコンサルティングというのは、明確に方向性を決めて情報を収集されている方にとっては必要のないものかもしれません。自分で受講する講座内容を決めて、審査をとおって来てるわけですので、むしろそのような方の方が多いかもしれません。ただ、大人になると、自分のキャリアについて第三者に聞いてもらえる機会はあまりありません。そういう意味でも、キャリアの棚卸ができる、再就職先について客観的なアドバイスを聞けるという点で、今後に向け気持ちの整理をしたりするにはキャリアコンサルティングを受けるのは悪くない時間だと思います。

誤解を恐れずにいいますが、民間の人材紹介会社でもハローワークでもキャリアコンサルタントへの相談はできますが、そこには前提に営業的(求人紹介)観点が入ったりしがちです。数カ月通う学校で受動的に受けるコンサルティングは、それらとはまた違った価値があると個人的には思います。

ちなみに、わたし自身もキャリアコンサルタントの資格を持ちながらも、今後のキャリアについてはよく頭を悩ますことがあります。それで、専門のキャリアコンサルティング機関を利用をしますが、1回1時間で5,000円ほどかかります。


履歴書・職務経歴書の添削をしてもらえる

履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえます。民間の人材紹介会社やハローワークでも頼めばしてくれます。ただ、必ずしも採用の業務経験がある人に見てもらえるとは限りません。客観的に見て、わかりやすい書類か誤字脱字がないかなどについてはアドバイスできても、書類選考を通過するためのアドバイスは実際の業務経験が豊富な人の方が長けています。そのプロの目を通す、アドバイスをもらったことに対して修正をする、という作業を繰り返せば自ずと書類選考を通過しやすい質の高い書類ができあがります。学校を通して、いつでも(多少融通を利かせながら)相談することができるので、ありがたいサービスだと思います。


⑧履歴書に書ける

職業訓練は履歴書に書くことができます。履歴書に書くことの効果は、2つあります。

1つは、離職中の空白期間を埋めることができる点です。転職する場合に、応募先の人事担当者が必ず気にされるのが離職期間の長さです。親の介護や育児などの、やむをえない事情があれば、1年や2年の空白期間があたとしても特に気にされませんが(ブランクとしての空白期間とは別の話です)、何も理由がない場合は「なぜ?その間何してたの?ニート?」という疑問を持たれてしまいます。そこで、東京都の職業訓練で〇〇を勉強してましたということを書けば、再就職への準備をしていましたという意思を伝えられます。わかりやすくいえば、アリバイ工作になります。

もう1つは、応募先の人事担当者に専門の知識を多少は持っていますよというアピールができます。たとえば、再就職は経理の仕事を未経験から始めたい場合、応募条件に「簿記3級程度の知識」と書かれていることがあります。簿記3級を持っていなくても、東京都の職業訓練で財務管理の講座で3か月経理の勉強をしていましたということを書けば、その程度の知識は持ち合わせていると伝えることができます。

では、具体的にどう履歴書に書けばよいのでしょうか。ここに書かなければいけないという決まりはありませんが、一般的には「学歴・職歴欄」の「職歴」の下に次のように書くとよいかと思いますので参考にしていただければと思います。


<職業訓練歴>
20××年×月 東京都職業訓練校(〇〇科) 入校
20××年×月 東京都職業訓練校(〇〇科) 修了

※職業訓練中に履歴書を作成する場合、「修了」→「修了予定」。



⑨仲間ができる

職業訓練は金銭的にも就職を有利を進めるためにもメリットが多いですが、学校に数か月通うので自然に仲間ができます。大人になると同じ目的の下で勉強するという機会はなかなかありません。職場で出会う同僚とは少し違います。公立の高校で友達ができる感覚です。もちろん、皆さん大人なので大人なりの事情を抱えて学校に通っています。人と関わるのが苦手な方もいます。それでも、同じ目的をもち、毎日顔を合わせて、同じ先生の授業を受けていると、クラスにも愛着がでてきます。クラスによっては飲み会などを定期的に開催するところもあるようです。色々な思い出を思い出させてくれる、非常に貴重な機会だと思います。

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4.職業訓練のデメリット



職業訓練を受けることによるデメリットも3つあげます。
モチベーションにもよりますが、時間的なものが大きいと思います。

①時間を取られる

平日の日中の時間を数カ月間取られます。資格を取るという明確な目標をもって、授業の時間を100%活かして勉強するという方にとってはいいとは思いますが、それほど真剣度が高くない場合、時間を捨てることにもなります。前職をやめて再就職するまでに、ゆっくりしたい、旅行をしたいという方も多いと思います。職業訓練に通うがために、それが叶えられないかもしれません。

失業手当をもらうためには、少なくても1日のうち半分(3時限)出席するか、あるいは、休む場合は証明書を提出しなければなりません。その場合の、証明書も病院の領収書や採用面接の証明書など明確でやむをえない理由を証明できるものでなければならず、高いハードルが設けられています。

また、修了日に職業訓練の修了証を受け取るためには、全授業の8割以上出席していなければなりません。途中で出席率8割を下回ってしまうと途中退校になります。そうなると、履歴書にも書けなくなってしまうため、たとえ授業についていけなくても、我慢をして出席をしなければなりません。

授業はあくまで期間内にテキストを終わらせるべく、標準的なペースで進められていきますので、人によって早い、遅い、簡単すぎる、難しすぎるという不満も生まれやすいです。みんなに合わせる時間がもったいないから、独学で勉強した方がいいという方もいると思います。


②気を遣う(疲れる)

学校に通うと、様々な方との初対面があります。また、授業によっては、みんなの前でプレゼンをしたり発言を求められることもあります。得意な方はいいのですが、苦手な方にとっては、そのような授業は苦痛になりかねないです。小学校中学校に人見知りでそのような思いをされて嫌な気持ちになった方もいると思います。大人になって仕事をするとオンオフの切り替えを覚えたりして、自然に慣れていくものですが、先生がいて大勢の生徒がいる前でするとなると、その嫌な思い出がフラッシュバックするかもしれません。学校に通う場合は、仕事までではありませんが、最低限のマナーやコミュニケーションをとらなければいけませんのでそれが負担な人にとっては毎日大変な時間でしょう。

また、逆に発言する機会がない100%インプット型の授業の場合、それはそれで大変かもしれません。大人しく授業を聞いていなければいけないのです。考えてみてください、相槌も口を挟むこともなく1日6時間先生の話を聞きっぱなしということになるわけです。わたしは、途中から授業が難しくなってついていけなくなりましたが、本当に先生の言葉がお経や呪文のように聞こえてくるようになります。1日6時間もお経を聞かされると考えたら、苦痛で苦痛で仕方なくて、まだ仕事をしてた方がましだと思ったときもありました。大人になって忘れてしまっていましたが、学校で学ぶ授業とはそういうもので、個人のモチベーションに大きく左右されます


③姿勢が悪くなる

1日6時間座りっぱなしです。1日8時間座りっぱなしのデスクワークよりはましかもしれませんが、わたしが通った学校の教室の机とイスは小さめのサイズでした。そして、席は固定であいうえお順で一番前の席に設定されていました。そうなると、座高の高い人、体の大きい人は窮屈で、後ろの席に気を遣いますので、非常に肩が凝ります。それに姿勢が悪くなりがちです。1日6時間じーっと姿勢を保つというのはよくよく考えると結構大変なことです。

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5.まとめ


職業訓練にはメリット、デメリット両面ありますが、個人的にはメリットの方が断然大きいと思います。それは、わたしたちが働いているときに支払った雇用保険料を元に運営されている、サービスだからという捉え方もできます。大人になるとなかなか経験できないことが経験できる貴重な機会でもあるので、もし会社を退職をして次の仕事がまだ決まっていない、あるいは会社を退職して違う仕事をしてみたいと考えているような場合は、是非職業訓練を受講してみてください。後悔はしないと思いますよ!



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